ベアリングについて知っておくべきこと
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ベアリングは回転機器にとって必要不可欠な部品です。装置全体から考えるとごく一部を占めるだけの小さな部品かもしれませんがその重要度は高く、ベアリングが適切な状態でないと求められる性能が出なかったり、故障により機械が動かないということも考えられます。今回の記事ではベアリングの取り扱いやメンテナンス作業に関して知っておくべきことをまとめています。
まずはじめに、ベアリングとは何なのかということを述べます。ベアリングは回転機械の重要部品であり、以下のような機能を持っています。
- 回転運動以外の動きを部品がしないように制限する。
- 固定部品と回転部品間の摩擦を低減する。
ベアリングがこのような役割を果たしているからこそ、シャフトが自由に回転することができます。ベアリングには様々な種類がありますが、ボールベアリングやローラーベアリングはその中でも特に一般的なものといえます。
回転機械にとってこのようなベアリングの果たす役割は重要かつ不可欠であるために、適切な取り付けやメンテナンスなどを心がける必要があります。
ベアリングの取り扱いでまず大切なことは適切に保管を行うことです。交換用にベアリングを保管することがあるかと思いますが、清潔であり湿度などの環境が適切な環境で、可能であればパッケージに入れて保管しておくことが大切です。不適切な保存によりベアリングが正常に機能しなくなることは避けなければなりません。
ベアリングの交換時に大切なこととして、ここでは以下の3つについてご紹介します。
- 適切な仕様
- 清潔な状態で作業を行うこと
- 適切なはめあいであること
まずベアリングの仕様に関してですが、求められる条件を満たした仕様のベアリングを使わなければベアリングが破損し機械全体の破損につながることもあります。例えば定格荷重が求められた条件を満たしている必要があります。
定格荷重だけでなく、アンバランスやミスアライメントが生じていないのか、間違った潤滑剤や過剰なグリスアップを行っていないのかということも重要なポイントです。いずれかが不適切な場合、不具合の原因となることがあるため、是正が必要です。
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ベアリングにとって清潔さも大切な要素です。ベアリングに異物が付着・混入しないようにすることはベアリングを良好な状態で長く使用するために必要です。異物の付着や混入を防ぐためにはベアリング本体のみならず以下のような箇所を清潔に保つことが大切です。
- 作業者の手
- 使用する道具
- ベアリング本体
- シャフト
- ハウジング
- 作業台や周囲の環境
交換する新しいベアリングはこれまでと同じものとすることが重要です。当初の設計で適切なはめあいとなるベアリングが選定されているはずであり、同じデザインを使用することで同じく適切なはめあいとなることが保証されます。また、単にはめあいだけでなく、ベアリングの構造やその他の仕様もその機械で求められている仕様を満たすことになります。
ベアリングを交換するときは古いものを取り外す作業が発生します。その際は以下のような点に注意してください。
- 安全を最優先とした作業を行う。
(ベアリングが破損すると大怪我につながる可能性があります。) - ベアリングプーラーやプレスなどの適切なツールを利用する。
- シャフトなどの部品が床に落ちてしまわないように作業を行う。
- ベアリングを切断する必要がある場合、シャフトなどが損傷しないように注意する。
また、取り付け時に以下のようなポイントに気をつけてください。
- 必要に応じてベアリングヒーターを使用する。
- ハンマーを使用するとベアリングやシャフトを損傷させる可能性があるため、可能であるならばプレスにより取り付ける。
- 取付面が清潔であり異物や傷などがないことを確認する。
ここまで述べてきたように、ベアリングは機械によって非常に重要です。様々な要因から破損に至ることがあるため、それらの要因を発生させないためにもベアリングの適切な保管や取り付けは重要です。また日々のメンテナンスにおいてベアリングの状態をきちんと把握しておくことが大切です。
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