診断センサーを取り付ける場合のヒント
機械診断・監視 |
回転機械の振動から診断を行う場合、加速度センサーを用いることが多くあります。加速度センサーそのものの特性も大切ですが、センサーをどのように取り付けるのかということも非常に重要です。
様々なセンサーの取り付け方法
センサーの取り付け方法は、対象物やその状況、収集頻度などによってさまざまなものが考えられます。
例えば巡回監視を行う場合を考えます。
巡回監視では加速度センサーを持ち歩き、センサーを取り付けて測定し、取り外して次の測定箇所へ行くことになります。
ここで力を発揮するのはマグネットを用いた取り付けです。付け外しが容易で、巡回監視には適しています。
弊社の取り扱う巡回監視用の加速度センサーでは、平面タイプと2脚タイプがあり、2脚タイプでは円筒面での測定にも適したマグネットです。
しかし、より高頻度に計測する必要のある機器や、危険性・到達困難といった理由から、常設センサーを取り付ける場合もあります。常設センサーを用いる場合、接着剤を用いたり、締結ねじが用いられます。
また、近くに行くことは可能であるが、マグネットでセンサーを取り付けるスペースが無かったり、金網の奥に機械がある場合などは、プローブ/スティンガーを用います。
加速度センサーにプローブ/スティンガーを取り付け、先端を機械に押し当てて振動を測定します。
この時、加速度計の周波数応答に影響が生じることを特に注意しなくてはいけません。プローブ/スティンガーを通過する際に振動エネルギーが減衰し、高周波振動を測定できなくなってしまうのです。
取り付け方法による周波数応答の変化
上の図は取り付け方法ごとに周波数応答がどのように変化するかを表しています。
締結ねじを用いて機械に固定したセンサーでは、センサーの周波数応答性能を最大限引き出すことが出来ます。しかし、取り付け方法によって適切に振動を測定できる最高周波数が低下してしまいます。
前章の最後に述べたプローブ/スティンガーを用いた場合、適切に測定できる最高周波数は500Hz程度となってしまいます。
また、3軸の加速度センサーを用いていたとしても、軸方向の1方向しか測定できなくなってしまうということも念頭置く必要がります。
上記で述べた通り、センサーの取り付け方法は、対象物やその状況、収集頻度などによってさまざまなものが考えられます。しかし、取り付け方法の違いによって収集することが出来る振動周波数に影響が生じます。
以前の記事(「不具合検知とセンサー」)でも述べた通り、不具合の内容によっては高周波振動が生じることで判別できるものもあり、高周波まできちんと測定できることは非常に重要です。
こういったことを総合的に判断したうえでセンサーの取り付け方法を決定する必要があります。
弊社では、巡回監視用のツールから、常設ワイヤレスセンサーなど、様々な用途に応じたラインナップを取り揃えております。
詳細はそれぞれの御紹介ページをご覧ください。
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