不具合検知とセンサー
機械診断・監視 |
不具合によって異なる振動
過去の記事でも述べた通り、不具合の種類や状態を判断するには、どのような振動が生じているのかを知るのは重要な手がかりとなります。具体的には振動の周波数や振幅を表す周波数スペクトルを読み解くことが大切です。
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この図は回転機器の代表的な不具合と、不具合が発生したときにどのあたりの周波数の振動が発生するのかを示しています。振動をモニタリングして不具合の発生を検知するためには、不具合によって異なる様々な振動を検知しなければなりません。
加速度センサーの特性
世の中には多種の加速度センサーがあります。加速度センサーによってその検出原理や特性は異なります。
MEMS加速度センサーは安価で小型という特徴から、様々な分野で用いられています。しかし、MEMS加速度センサーを回転機器のモニタリングに利用するのはあまりオススメできません。
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これはMEMS加速度センサーを用いてカバーできる振動範囲を示したイメージ図です。回転機器の不具合を検知するという目的で用いた場合、±50gといったMEMS加速度センサーにとって過剰な振動を受けたり、ベアリングの摩耗・潤滑異常から生じた振動やショック振動などの高周波振動を検知できない事態が想定されます。
頻度も修理コストも低い不具合であれば検出できなくてもいいのかもしれませんが、ベアリングやギアの問題は気付かずに進展してしまうと多くの修理コストを要するため、早期に発見して対策を行うことが大切です。
目的に合ったセンサーの選択
上述の通り、回転機器の振動モニタリングを行う場合、高周波まで測定でき、大きな振幅にも対応できるセンサーを選択することが大切です。生じていた不具合の兆候が検知できていなかったため突然破損に至ったように思われたり、不具合がありそうなことは分かってもその原因特定まで至れない事態も想定されます。
しかし、センサーを設置するということは手間のかかる作業です。一つの機器に一つ付ければいいのではなく、可能であればベアリングごとにセンサーを付けたほうが詳細な状況を検知できます。
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