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一連の作業で2方向のズレを測定 - VertiZontal Moves™

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昔ながらのシャフトの心出し方法ではダイヤルゲージが用いられます。これに対し、ACOEMのレーザーアライメント装置はダイヤルゲージを用いた心出しに比べて作業時間の短縮やビギナーの技量を補うことができるツールとして世界各国で採用されています。

ACOEMのレーザーアライメント装置を使うことで作業時間を短縮できる一つの要因がVertiZontal Moves™機能です。VertiZontal Moves™により実際の作業がどのようになるのかをご紹介します。ダイヤルゲージを用いた心出し作業と比較すると作業時間の短縮に貢献していることがご理解いただけることと思います。

VertiZontalとは

VertiZontalはVertical(垂直)とHorizontal(水平)という二つの単語を組み合わせてできたワードです。その名の通り垂直方向と水平方向のズレを一度に測定できるということを表しています。また、垂直方向の調整を行った後に水平方向のズレ量の測定を再度行う必要がありません。

これによりダイヤルゲージを用いた心出しよりも作業時間を短縮することが出来ます。なぜ時間短縮につながるのかを理解していただくために、心出しの手順についてご紹介します。

心出しの大まかな手順

ダイヤルゲージを用いた心出しでもレーザーアライメント装置を用いた心出しでも大きな手順は変わらず、以下のような流れとなります。

垂直方向の調整と水平方向の調整ですが、必ず垂直方向を先に調整することになります。垂直方向の調整にはシムの追加・削減が必要になるため脚部を持ち上げます。そのため水平方向にもズレが生じてしまうことから、垂直方向の調整後に水平方向の調整を行います。

ダイヤルゲージを用いた心出し

ダイヤルゲージを用いてシャフトの心出しを行う場合、一方のシャフトにダイヤルゲージスタンドを取り付け、ダイヤルゲージの先端を他方に当てて測定を行います。シャフトを回して測定を行い、測定値から垂直・水平方向のズレを計算します。

ズレ量が分かれば調整を開始します。調整中にダイヤルゲージが許容範囲以上の動きをして破損してしまうことを避けるためには、ダイヤルゲージ先端を一時的に対象物から外しておくことが良いでしょう。しかし、調整後には再測定が必要なため改めてゲージを取り付ける必要があります。

レーザーアライメントツールでの心出し

ACOEMのレーザーアライメント装置は一対の無線センサーを各シャフトに取り付けます。専用タブレットやモバイルアプリで示された姿勢となるようにシャフトを回転させ、3か所で測定を行うと垂直・水平方向のズレ量が表示されます。また、必要なシムの厚みも事前に設定した寸法値から計算されるため、作業者が計算をする必要はありません。

調整はダイヤルゲージと同様に垂直方向から行います。シムの量は自動的に計算されるため、その厚みのシムを準備するだけです。また、無線センサーは各シャフトに取り付けられており他方のシャフトに接触しているわけではないため、取り付けたまま調整作業を行うことができます。

垂直方向の調整を行った後は、再測定を行わず水平方向の調整作業に着手できます。また、どの程度ズレているのか、どの程度動かす必要があるのかは手元の端末でリアルタイムにアップデートされます。そのため調整と測定を繰り返す必要はなく、状況を確認しながら調整を行います。

ダイヤルゲージでの心出しとレーザーアライメントツールでの心出しの比較

ここまで述べた通り、ダイヤルゲージのような付け外しが必要なく、計算を行う必要もないため、レーザーアライメントツールでは作業時間の短縮が期待できます。調整と再測定を何度も繰り返す必要もないことも作業時間短縮に貢献します。調整作業や測定のためのシャフト回転を何度も行わなくて良いということは機械に対しての損傷リスクを減らすということにも繋がります。

ダイヤルゲージをお使いの場合、是非一度ACOEMのレーザーアライメントツールをご検討いただけますと幸いです。