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隠れたシムを見逃さない

アライメント |

これまでもレーザーアライメントに役立つ作業のポイントや事例をご紹介してきましたが、今回も一つの事例をご紹介いたします。

Fixturlaser EVOを使用して、1750RPMで駆動する35馬力の電気モーターと水冷ポンプのアライメント作業の事例です。

まず初めに現状を知るため、どの程度のズレがあるのかを確認しました。その結果は以下の画像に示す通り、角度のミスアライメントが許容値の14~16倍、オフセット量が許容値の6~8倍となっており、修正が必要な状況でした。

アライメント作業そのものの前に、プリアライメント作業を行います。その一つがソフトフットの確認ですが、一つの脚で0.25mmのシムを入れる必要があると診断されたので、対処したうえで心出し作業に移りました。

心出し作業を行っていたのですが、作業中にボルトの締め付けに伴ってモーターが動いてしまっていることに気が付きました。その動きは通常考えられるよりも大きく、測定結果の再現性も無いため何らかの異常が起こっている可能性も考えられました。

取付ブラケットやボルト、レーザーアライメント装置の取付などは適切に締め付けられていたためシムを詳しく調べてみると、4か所中3か所に意図せぬシムが入っていることが判明しました。

なぜこれらのシムが入ってることがプリアライメント作業で分からなかったのでしょうか。それにはいくつかの理由があります。

今回見つかったシムと、調整用に加えたシムを重ねてみると一目で分かる通り、適切なサイズではなく小さなものでした。

また、この見つかったシムはコの字型のシムではなく穴の開いた形状をしており、タブもついていません。そのため最初はシムのシムの一部が脚部から出ていたのかもしれませんが、ボルトの回転などに伴って完全に脚部の下に入り込んでいたため、プリアライメント作業時に発見できなかったものと考えられます。

問題のシムを脚部の上に置いた様子

また、シムが錆びていたことも測定の再現性が得られなかった要因の一つであると考えられます。

シムを適切なものに交換して再度計測を行ったところ、ソフトフットは解消されました。

このほかにもボルトとボルト穴のわずかな干渉なども発見されたもののアライメント作業は適切に完了しました。

今回の事例から、『アライメント作業時には脚部に張り付いたシムが無いかを確認する必要がある』と言えますが、この作業は既に当たり前のこととして行っている方も多いかと思います。以前のブログでご紹介した通り、脚部をきれいにした上でアライメント作業を行うことは非常に大切です。

とはいうものの様々な理由から、今回のように見逃してしまって心出し作業に着手することも考えられます。再現性のない結果が出てくる場合などは、アライメント作業を何度もやり直すのではなく、装置全体に目をやり、様々な可能性を一つ一つ検証して原因を突き止めることが大切です。


アライメント作業は単に位置を調整するだけでなく、機器の異常がないのかなども併せて確認することが大切です。プリアライメント作業もその一つですし、実際に機械を動かして異常な振動がないのかなども確認してやることも大切です。

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