アライメントのための清掃
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5Sの重要性
多くの工場では“5S活動”が行われているかと思います。5Sは整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つをローマ字表記した時に全てSから始まることから5Sと言われていますが、職場環境の維持や改善、生産効率の向上を目的として取り組まれています。
メンテナンスなどの場面でもこれらの5Sは重要であり、例えば問題となる油漏れが発生し始めた場合、常日頃から清掃が行われている設備の場合は油溜まりなどを容易に確認することが出来ますが、汚れた状態が常態化している設備の場合は新たに発生した油溜まりになかなか気付くことができ無いこともあります。
心出しのための清掃
シャフトアライメント(心出し)作業においても清掃を行うことは重要です。今回はなぜそれが重要であるのかをご説明します。
そもそもシャフトアライメントに影響を与える要因は様々です。機器を取り付ける台座部分の変形や接続された配管の歪み、ベアリングやカップリングの摩耗などにより適切なアライメントが出来ないことがあるため、アライメント作業前にそれらが適切な状態であるのかを確認しなくてはなりません。このようなプリアライメントに関しては過去の記事でもご紹介しています。
プリアライメント作業で解消すべき事象の一つがソフトフットです。ソフトフットの原因の一つが取付脚とベースとの間にあるゴミや汚れです。僅かな厚みを調整する必要があり、きちんとした清掃によりゴミ・汚れの影響を取り除くことが大切です。
清掃作業は時間がかかることもあるため行いたくないと思ってしまうかもしれません。しかしあらかじめゴミや汚れを取り除いておけば、ソフトフットが確認された場合に考えられる原因がすでに一つ除去されているため、作業の効率化が期待できます。
例えば以下の写真のように事前に清掃を行った上でプリアライメント作業を行うと場合、シャフトアライメント作業は15分で終了しました。
清掃前
清掃
清掃後
5Sなどは基本的な事柄で軽視されることもあるかもしれませんが、容易にアライメントを行うことが出来るレーザーアライメント装置などを使う場合でも欠かすことが出来ない非常に大切な取り組みです。