歯車の欠陥検出に利用できる指標
機械診断・監視 |
振動を計測することで回転機械の状態を診断することができますが、振動の大きさを表す指標にはさまざまなものがあります。速度や加速度は一般的によく知られた指標ですし、周波数分析を行うことで不具合の種類を推定することも可能です。
例えば ISO10816-3 は振動速度から機械の状態を判断するための基準ですが、装置の出力によって基準値が変わります。そのため、同じ数値であっても機械によって判定が変わってくることがあります。
一方、ACOEMが採用している指標に ベアリング欠損係数(DEF) というものがあります。この指標は0~12の数値でベアリングの健康状態を示し、例えば通常状態では0~6の範囲の値を示すような指標です。
このベアリング欠損係数(DEF)はベアリングの欠陥を検出する指標として設計されていますが、損傷は生じていないもののベアリングに悪影響を及ぼす現象が発生しているときにも上昇することがあります。例えばこちらの記事でご紹介している通り、潤滑不良でもベアリング欠損係数(DEF)が上昇します。
今回ご紹介するのは、歯車の欠陥が生じ始めている事例です。以下の画像は装置に取り付けられた加速度センサーの各指標が一覧で表示されています。「Defect Factor(ベアリング欠損係数)」が8以上を示しており、何らかの問題が発生している可能性を示しています。一方、「Overall Vib Vel(速度)」は ISO10816-3 で定める基準内に収まっており、問題のある数値ではありません。
時系列グラフを確認すると、6.89Hzでショックが生じていることがわかりました。この周波数に該当する現象を考えると、ピニオンギアに欠陥が生じていると推測されました。
ISOの基準も有効な基準ですが、今回の事例ではベアリング欠損係数(DEF)の方がより早く故障の兆候を検知することが出来ました。もし仮にベアリング欠損係数(DEF)を指標として採用していなくとも、全ての時系列データを確認するとショックの波形を確認することができたかもしれませんが、多くの箇所を測定する中で故障にいち早く反応する指標を採用することは、効率的なメンテナンスを行うために非常に重要です。
ACOEMの振動診断ツールを利用することでベアリング欠損係数(DEF)を利用し効率的なメンテナンス作業にお役立てください。用途に応じて、巡回監視から常設監視まで対応するラインナップを取り揃えております。
詳細は商品紹介ページをご覧ください。
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