ギヤのかみ合いによる変形を映像から解析

以前のブログ記事で機械の診断についてご紹介し、ビデオ映像から振動を解析するMEscope ビデオプロセシングを用いた機械診断についてご紹介しました。ビデオプロセシングの適用例の一つとしてギヤを直接ハイスピード撮影し、その映像を解析することで診断するという方法を述べましたが、今回は実際にギヤを撮影して解析した事例をご紹介いたします。

測定対象

今回は玩具用のギヤボックスの歯車を測定対象としました。LEDライトで対象部(白いギヤ)を照らし、ハイスピードカメラで撮影します。

撮影時のフレームレートは毎秒600フレームで行いました。

タミヤ ユニバーサルギヤーボックス
タミヤ ユニバーサルギヤボックス
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撮影した映像(0.05倍速)

実際に撮影した動画をご覧いただくとギヤが回転していることは確認できますが、ギヤの変形まではわかりません。そこでMEscope ビデオプロセシングで解析を行いました。

ビデオプロセシングでの解析

今回は白いギヤを対象としているので、元の動画からギヤの周辺部分を選択して解析しました。また、動画の中から必要な範囲のフレームを指定して解析しています。

ビデオプロセシングで解析を行うと、上の画像のように左側に変形の様子を示したアニメーションが表示され、各点の縦方向・横方向の時間波形が右上部に、右下部にはフーリエスペクトル(上の画像では各点の結果を重ね合わせて表示中)が表示されます。

フーリエスペクトルの横軸を見ると、最大値が300Hzとフレームレートの半分になっています。これは加速度計などの振動センサを用いた計測時の標本化定理と同様に考えることができ、サンプリング周波数(映像のフレームレート)の1/2がナイキスト周波数となることと同様です。

解析結果

上で述べたとおり、MEscope ビデオプロセシングでは各点の時間波形とフーリエスペクトルが得られます。時刻歴に沿って挙動をアニメーションすることもできれば、特定の周波数成分の動きをアニメーションすることができます。

今回の結果を見てみるとフーリエスペクトルにいくつかのピークが見て取れますが、ここでは一番大きなピークである190Hzと次に大きな70Hzでの挙動アニメーションとカラーマッピングを示します。

70Hz

70Hzでは奥の左側にあるギヤが動いているのがアニメーションから見て取れます。

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190Hz

190Hzでは手前のギヤが動いているのがアニメーションから見て取れます。

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このようにMEscope ビデオプロセシングにより単に振動の大きな部分を見つけるだけでなく、どの部分がどのような周波数で振動しているのかを確認することができます。

MEscope ビデオプロセシングについての情報はご紹介ページをご確認ください。また、カタログでもご紹介しております。
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