ボルトバウンドが発生したときのアライメント
アライメント |
先日の投稿でベースバウンドとボルトバウンドについて簡単にご紹介をしました。
ベース(取付台)やボルトが機器の脚部と干渉するため、心出しのための移動がバウンド(拘束)された状態のことをそれぞれ ベースバウンド・ボルトバウンド と呼びます。先日の記事ではベースバウンドについての事例をご紹介しましたが、今回はボルトバウンドの例を御紹介します。
プリアライメントを行い、垂直方向の調整を行ったあと、水平方向の結果は以下の通りとなりました。
適切なアライメントのためには、図中右側にある可動側装置を下方向に動かす必要があると示されています。しかし、ボルトと取付穴が干渉してしまうため、これ以上動かすことが出来ませんでした。
ここで、ボルトバウンドの時と同様にフットロック機能を使用します。通常の作業では一方の装置は固定し、他方を動かしますが、フットロック機能により可動側前後脚・固定側前後脚のうち任意の2つを動かした時の調整量を算出することが可能です。
今回は固定する脚と稼働させる脚を変更し、可動側装置(図中右側)を上側に動かすことで調整が可能な組み合わせを探します。
上の二つの画像のような組み合わせの場合、右側のモーターを下に動かす必要があります。最初の状態に比べて求められる調整量は小さくなるものの、ボルトバウンドのためにこの方向への移動は不可能です。
ロックする脚を上図のように変更すると、右側のモーターの移動方向が上方向になりました。下方向へはボルトバウンドによって動かすことが出来ませんでしたが、上方向へは動かすことが可能なため、調整可能です。また、元々は53ミル(53/1000 インチ)動かす必要があったのに対し、18ミル・15ミルだけで調整が可能です。
この例のようにフットロック機能を使うことで、アライメントで干渉が生じてもその部分を削ることなく、アライメントを行うことが可能な場合もあります。手間や作業時間、コストの削減につながるため、非常に有効な手段といえます。