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回転機械の6つの不具合

機械診断・監視 |

回転機械のメンテナンスでは設備の状態を診断・把握し、不具合が明確に顕在化し機器が使用不可能になる前に対応を行う予知保全が有効です。
適切に予知保全を行うためには適したツールの選定を行い、専門知識を持ったメンテナンスチームの存在が重要です。
回転機械で想定される不具合を事前に把握し、それぞれの不具合でどのような予兆が生じるのかを学ぶ必要がありますが、今回は回転機械で想定される6つの不具合をご紹介します。

ベアリングの不具合

ベアリングの不具合には各部の磨耗や破損、焼付きなど様々なものがあります。これらの問題は他の不具合によって引き起こされていることがあり、ミスアライメントや取り付け不良などが起こっている可能性もあります。

ベアリングの破損原因に関しては以前の記事でもご紹介しておりますのでよろしければこちらも御覧ください。

ベアリングの不具合を修正する場合、一般的には以下の通りの手順で対処を行います。

  1. 装置を停止し、誤って稼働しないように対応します。
  2. ベアリングを取り外します。
  3. ベアリングの故障解析を行います。
  4. シャフトや取り付けハウジングの摩耗の検査・測定を行います。

キャビテーション

ポンプの吸い込み側での低圧により流体に「空洞」が生じる現象です。キャビテーションで生じた「空洞・泡」がポンプのインペラ部分に入ることで振動や騒音、損傷を引き起こすことがあります。

キャビテーションを含むポンプの不具合に関してはこちらの記事もよろしければご覧ください。

キャビテーションが生じている場合は一般的に以下の対処を行います。

  1. 吸い込み圧・吐出圧および流量を確認・記録する。
  2. ポンプの仕様や特性曲線をもとに、記録した圧力・流量に問題がないか確認。
  3. 不適切な絞りや目詰まり、タンク内の流体量に問題がないか確認します。
  4. 作動流体の粘度が適切であるか確認します。
  5. 装置を停止し、誤って稼働しないように対応します。
  6. インペラなどに摩耗がないか、詰まりが無いかを確認します。
  7. 必要に応じ修理を行います。

ギアの摩耗

ギア歯面の摩耗や欠損はミスアライメントや潤滑不良などにより生じます。ギアの摩耗が生じた場合の一般的な対処は以下のとおりです。

  1. 潤滑の分析を行います。
  2. 装置を停止し、誤って稼働しないように対応します。
  3. ギアの歯面の摩耗や不適切なアライメントが生じていないかを確認します。
  4. 不具合の修正を行います。
  5. 修正後、振動を測定して不具合が解消されているかどうかを分析します。

ミスアライメント

ミスアライメントはシャフトの鉛直・水平方向の位置合わせが不適切な状態です。新規設置や部品の交換で生じることがあるため、個々の部品には問題がない状態であっても生じる可能性があります。前述の通り他の不具合を引き起こす要因ともなります。

ミスアライメントが疑われる場合は以下の対処を行います。

  1. 装置を停止し、誤って稼働しないように対応します。
  2. 取り付けボルトの緩みや取付ベースの劣化などが無いか確認します。
  3. カップリングの摩耗が無いかを確認し、メンテナンスを行います。
  4. 精密なアライメントを行います。

アンバランス

アンバランスはシャフト周りの質量の分布が不均一な状態で生じます。異物の付着や回転体の破損、留め具の脱落などの要因により生じます。

アンバランスとミスアライメントの有無を振動測定から判断する方法に関してはこちらの記事でご紹介しております。

アンバランスが生じている場合は一般的に以下の通り対処を行います。

  1. 装置を停止し、誤って稼働しないように対応します。
  2. 取り付けボルトの緩みや取付ベースの劣化などが無いか確認します。
  3. 防振装置がある場合はその状態を確認します。
  4. 回転コンポーネントの汚れや摩耗、破損の有無を確認します。
  5. 問題がある場合は修正を行います。
  6. 修正後、振動状態を測定し不具合が解消されているか分析します。
  7. 修正後も振動が大きい場合、バランシングツールを用いて不具合を解消します。

構造共振

構造共振は取付ベースや支持構造などが過度に振動している状況であり、固有振動数と稼働振動数が一致する場合に生じます。可変速機器の場合、全ての共振を修正することは難しいことがあるかもしれません。

構造共振が生じている場合の一般的な対処は以下のとおりです。

  1. 設置後に機械の動作に何らかの変更(運転速度や負荷など)が加えられていないかどうかを確認します。
  2. 装置そのものや接続されているパイプ・ダクト、ブラケットなどに緩みや劣化が生じていないかを確認します。
  3. 問題があった場合は修正を行います。
  4. 振動測定を行い、問題が解消されているかを確認します。

これらの不具合の予兆を捉えるには機械の振動から診断を行うことが有効です。
それぞれの不具合によりどのような振動が生じるのかが異なるため、周波数分析などにより分解することなく不具合の予兆を検知することができます。

また、分析ツールの導入によりメンテナンスチームの負荷を低減することが可能です。Machine DefenderはAIによりその場で不具合内容と箇所を分析してくれるツールです。詳細は製品紹介ページやカタログを御覧ください。


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