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心出しで重要な3つの概念

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弊社ではレーザーアライメント製品を扱っておりますが、ダイヤルインジケーターを用いても心出しを行うことは可能です。今回はダイヤルゲージを使ったデモンストレーションを通し、心出しでの3つの概念をご紹介します。

Total Indicator Reading(TIR)

上図のように、一方のシャフトにダイヤルインジケーターを取り付け、先端を他方のシャフトに当てます。12時の位置で 0.00mm にし、180°回転させて6時の方向での値を読みます。

上図の通り、ダイヤルインジケーターは 0.30mm を示していたとしましょう。下図に示す通りシャフトには鉛直にオフセットしていた場合、この 0.30mm がTIRと呼ばれるものです。しかし、シャフトのオフセット量はその半分の 0.15mmです。

シャフトの相対位置をダイヤルインジケーターで計測する場合、軸の両側でオフセット量を計測することになるため、その値はオフセット量の2倍となるのです。

実際のシャフトでは鉛直方向だけでなく水平方向にもオフセットが生じます。水平方向でも同様の手順で計測を行ってみます。3時の位置でインジケーターを 0.00mm にし、9時の位置で測定した場合 0.20mm と示されたとすると、鉛直方向と同様に考えるとオフセット量はその半分の 0.10mm ということになります。

妥当性ルール

前項では鉛直方向と水平方向のそれぞれで、ダイヤルゲージを 0.00mm にセットしズレをそれぞれ測定しました。今度は少し違った測定を行います。

12時の位置でダイヤルゲージを 0.00mm にセットし、90度ごとに値を読みます。すると各位置での値は下図の通りとなります。

ここで重要なことは、12時・6時の読み取り値の合計と、3時・9時の読み取り値の合計が同じになることです。今回の例でいえば、0.30 + 0.00 = 0.05 + 0.25 となります。この関係性を妥当性ルールと呼んでいます。

この妥当性ルールのおかげで、上下左右のうち3か所の値を測定すれば、どのようなズレが生じているのかを知ることが出来ます。残り1つの値は、その他の3つの値から導出することが出来るのです。

心出し作業時にはダイヤルゲージを360°回転させるための十分なスペースが無いことがありますが、妥当性ルールのおかげで180°回転させて3か所の値を読むことが出来れば心出しが可能です。

実位置センシング

もう一度、鉛直方向のズレを測ってみます。12時の位置で 0.00mm に合わせ、6時の方向まで回転させると、ダイヤルインジケーターが 0.30mmを示しているとします。この時の鉛直方向のオフセット量はダイヤルゲージが示した値の半分である 0.15mm でした。

ここでダイヤルインジケーターの目盛りを動かし、半分の値とします(-0.15mm分回転させる)。すると 0.15mm となり、オフセット量と同じ値になります。

再度12時の位置にダイヤルインジケーターを回転させる、その読み値はどうなるでしょうか。 元々は 0 でしたが、目盛りを-0.15mm分動かしたので -0.15mmを示しているはずです。上下方向のオフセット量は 0.15mm のため、ダイヤルインジケーターは12時の位置でも実際のオフセット量を示しています。(上下逆になるため、正負は逆になります。)

このまま3時・6時の位置にダイヤルインジケーターを回転させると、どのような値を示すのでしょうか。12時の位置でダイヤルインジケーターを 0 とした場合の値は前項で書いた通り、3時で 0.05mm 、9時で 0.25mm でした。-0.15mm分だけ目盛りを動かしていることから、3時の位置では -0.10mm 、9時の位置では 0.10mm となります。水平方向のオフセット量は 0.10mmでしたので、ここで示している値も実際のオフセット量ということになります。

このような概念を実位置センシングと呼んでおり、任意の位置でダイヤルゲージをゼロとし、反対側に回転させたあと読み値を半分にするように目盛りを動かせば実際のオフセット量を示してくれるのです。


弊社では簡単でスピーディーに心出しを行うことが出来るレーザーアライメント製品を取り扱っております。詳細は各製品のページをご覧ください。
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