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装置の重要度を決めるには

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装置の重要度

工場では様々な装置が用いられています。それぞれの装置が必要な機能を果たすことで工場全体として生産を維持することが出来ます。そのために適切なメンテナンスを行い装置を健全な状態に保つことが重要です。

どのようなメンテナンスを行うのか検討する際に、装置の『重要度』を把握することが大切です。重要度を加味して計画を立てることで、メンテナンスを効率的かつ効果的に行うことが可能です。

重要度は以下の3つのレベルに分類することが出来ます。

重要度を設定する場合は、装置が故障したときの影響や復旧に要する時間・コスト、部品の入手性などを加味する必要があります。それぞれの重要度の例に対して簡単な例をご紹介します。

重要度A:故障時の影響が大きく非常に重要な機器

食品加工業界でターキーを加工するラインを考えてみます。ターキーの下処理を行う装置が故障してしまった場合、それ以降のすべての工程がストップしてしまいます。故障時の復旧時間も8時間以上かかると想定される場合、丸々一日の作業がすべて行われないことになるため、重要度も高くなります。

重要度B:故障時は中程度の影響が生じる機器

故障しても4時間未満程度での復旧が見込まれ、修理コストもそれほどかからないと見込まれる場合はこのランクとなります。

例えば多くの場面で用いられている冷却塔や循環ポンプなどの熱交換器などは、このランクに位置することが多いと考えられます。一般的にはある程度単純な機械が分類されます。

重要度C:故障時の生産への影響は軽微で重要度の低い機器

故障が生じても生産が短時間停止する、もしくは生産自体は止めなくても問題のない装置であり、修理に要するコストも定額で済むか、修理するよりも交換するほうがコストパフォーマンスに優れている機器です。

圧縮空気を要するプロセスではコンプレッサーが必要ですが、3台のコンプレッサーが用いられており1台が故障しても残りの2台で生産を維持できる場合は、このランクに分類することが可能です。

6つの基準

重要度を考えるときには以下の6つの基準について考慮します。

1:安全性

プレス機や切断機などは危険性の高い装置であり、オペレーターに深刻な被害を及ぼす可能性があります。

2:品質への影響

高精度の加工を行う機械などは、わずかなミスアライメントにより求められる品質を満たさない可能性があります。

3:生産への影響

生産プロセスでボトルネックとなっている装置の故障は、他の装置に比べ大きな影響を与え、全面的な生産停止につながることがあるため、重要度の分類にとって重要な指標の一つとなります。

4:平均故障時間

故障が生じる頻度を示すものです。故障までの時間が短い装置は高頻度の対応が必要となります。

5:平均修復時間

修理・交換・再起動に必要な時間です。

6:メンテナンス費用

修理に必要な費用です。どのような故障が生じるのかによって変わってくるものですが、スペアパーツの価格などから推測することも可能です。また、部品単体だけでなく作業コストなども加味する必要があります。

各機器の重要度を分析することは予知保全を計画する時の重要なステップの一つです。工場で用いられている各機器をしっかりと把握し、その上で必要なツールなどを選定してください。機械診断ツールを選定・利用することも重要です。